もはや伝説となりつつある、日本のオパール代表、福島県は西会津町・宝坂のオパールです。閉山してはや１０年余り、先代がいた頃なら可能性はありましたが、残念ながら現状では再開は無いでしょう。色々とお世話になりましたし、今となっては、貴重で懐かしい体験の思い出です。イーハトーブは宮沢賢治も愛した理想郷、そして彼の愛したオパールでもあります。金字塔として、月に一度の、上品週だけに復活してもらう事にしました。先に上品落札された方からは、写真以上の良い色で、まさにお買い得でしたとの嬉しいコメントを頂きました。
約５００万年前、海底火山噴火の折、海底であったこの場所で生まれたオパールたちです。大きな俵状の柱状節理、それを大ハンマーで割ると、中に点在する球顆がコロンと出てきます。色が出るのは確率的には、約１００個に１個、偏りもあり色のある所には多数の遊色オパールが見られることも。せせらぎ流れる谷間には、高山植物イワカガミの大群落も見られ、別世界のようでもありました。歴史は古く、先々代が戦争から帰り近衛兵となり、金の探索中に発見、皇族のオパール鉱山として稼働した時期もあるようです。今でも、皇居の尚蔵館には、磨かれた約４ｃｍのオパール球が所蔵されているとの事でした。星空タイプと赤の色、これが上品と、良く先代が語っておられました。磨いたものを持参して、行商されたとも。大きなものは、湯飲み大の球顆に入った星空タイプがあったとの事で、それは水中保存のものだったとの事です。色々とお聞きしましたが、まさに生き字引のような先代でした、本でも書いて残して頂きたかったです。おまけ情報ですが、この地の最大サイズは子供の頭大で、玄関脇に２個あった１個を譲って頂きました。閉山の今思えば、２個ともに頂いておけばと、後悔しております。鉱脈はまだ多くがあり、太古の昔のままに戻り、今また山中に眠り始めた、というのが真実なのでしょう。

長くなりましたが、これは乾燥品でして、２０年近く経過したものです。１００個のうち数個しか残らないと言われる、極貴重品でもあります。鉱脈の柱状節理の、その６角柱の面が、１面にはほぼ完全な状態で残っております。そこを底面として、置物になります。中にも数個の球顆がある感じですが、このままの方が価値はあるでしょう。鉱山の鉱脈そのまま、そして、淡いながら（黄緑を中心とした）色を残す乾燥を越えられたオパールの標本価値は、博物館レベルかも知れません。乾燥品で、このようなものは見たことがありませんが。大きめで約９８２ｇあり、鉱山の様子が良く分かる乾燥オパール標本はまず無く、市場では７万円の値をつけるようなものですが、昔から同様に破格値でのご提供です。市場では、７万円程度はするでしょうか。鑑定団などの鑑定額では、最低でも１５万円以上でしょう、目の保養にされて下さい。宝坂のオパールの看板娘として、しばらくは登場してもらう事としました。出品中の２点のいずれかが落札された場合は、上記の巨大球顆や水中保存の巨大オパールを登場させる予定です。いずれも、この産地の最大値ともいえる大きさのものでして、共に国宝級の価値を持つものと思います。今では２点ともに、生ける伝説のような存在です。ちなみに、大きくなると塊状ではなく、表層部に層状に広がる脈となります。